棋士と女流棋士の違い 棋士に挑戦する西山朋佳女流三冠
皆さんは棋士と女流棋士の違いをご存じでしょうか。最近ワイドショーで将棋の対局が話題になった際に女流棋士の先生が解説を行うことが増えました。今回はこの棋士と女流棋士の違いと初の女性の棋士になれるかも知れないと期待されている西山朋佳女流三冠について書きたいと思います。
棋士と女流棋士の違い
そもそも棋士(男女区別なし)と女流棋士(女性のみ)は異なるプロ制度になります。一般的にプロ棋士と呼ばれるのは前者であり、羽生先生や藤井先生は棋士になります。棋士になるには養成機関である奨励会で年齢制限までに4段になることが条件になります。従って棋士になってすぐは4段であり徐々に昇段し最高段位である9段を目指すことになります。
一方の女流棋士は2級以上が女流棋士として認められ3級以下は研修会員と呼ばれます。
2つのプロ制度を図示するといかのとおりです。

今までの歴史上で女性が棋士になったことはありません
多くの女流タイトルを総なめにし女性初の棋士になれるかもしれないと期待されていた里見香奈(現女流4冠)ですら棋士になるための最終関門である3段リーグで無念の年齢制限を迎えました。
女流棋士の強さは?
将棋の実力(棋力)は明確に棋士>女流棋士であり、中々破れない壁があると言えます。
ここはやはり競技人口の差というのも関係していると考えられます。潜在的には棋士になれる女性もいると思いますが、やはりその環境は無いというのが現状だと思います。
そんな女流棋士の実力ですがもちろん個人差はありますが、一般的にはレーティングの低いプロ棋士4段≧トップアマ≧女流棋士とったぐらいかなと思われます。もちろんこれから紹介する西山朋佳女流三冠は棋士の先生にも相当数勝たれていますので、棋士に近い実力はもっておられると思います。
西山朋佳女流三冠とは?
西山朋佳女流三冠は25歳で現在奨励会3段であり、プロ棋士の一歩手前まで来ています。
詳しいプロフィールはwikipediaをご参照下さい。
なぜ西山朋佳女流三冠が期待されているかというと3段リーグにおいて次点を獲得されているからです。プロ棋士になる為には年2回開催される3段リーグにおいて
・上位2名に入る
・次点(3位)を2回獲得する
いずれかを満たすことが条件となります。上位2位に入れば文句なく棋士となれますが、次点を2回とることでも棋士となることができます。西山朋佳女流三冠は一度次点を獲得しているので現在開催されている3段リーグで次点以上でプロ棋士となることができます。
この3段リーグも順位戦同様に同じ勝ち星で並んだ場合は順位(前回の3段リーグの成績順)によって頭ハネが起こる可能性があります。つまりトップ3名が同じ勝ち星で並んだ場合は順位が上の2名がプロ棋士になれます。
現在西山朋佳女流三冠は順位が36名中の19位で今期は7位という状況です。順位(前回の成績)が良くないので有利とは言えませんが、今期7位につけており十分に次点を狙える位置にいます。
もし西山朋佳4段の誕生ということになれば歴史的快挙であるということだけは覚えていてください。
最近の男性棋士との対戦でも50%以上勝っていますので4段の実力はある気がしますが、中々3段リーグを抜けるのは厳しいということですね。
日付 | 勝敗 | 対戦相手 | 棋戦 |
2021/1/27 | ● | 屋敷伸之 九段 | 棋聖戦 二次予選 |
2021/1/20 | ● | 古賀悠聖 四段 | 新人王戦 |
2021/1/14 | ● | 本田奎 五段 | 銀河戦 Bブロック |
2021/1/13 | 〇 | 室岡克彦 七段 | 竜王戦6組 |
2021/1/7 | 〇 | 森下卓 九段 | 棋聖戦 二次予選 |
2020/12/25 | 〇 | 長岡裕也 六段 | 竜王戦6組 |
2020/12/17 | 〇 | 岡崎洋 七段 | 銀河戦 Bブロック |
※女流棋士と奨励会員は重複することができるので、プロ棋戦にも女流棋士枠で出場することがあり、男性棋士との対戦も組まれます。

のーま
意義をもつんやな。
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